これ見たことありますか?
地方の街並みを歩いていると、この玉のようなものが家の玄関に飾られており、気になっていたのですが、調べるのを忘れていました。
最近、映画「殿、利息ですぞ」を見ていると村の宿場町のワンシーンでこの玉が出てきました。これは!と思い出し、いざ調べてみることに…
調べて始めると、かなり深い歴史があることが分かりました。
まずこの玉の名前ですが、「杉玉(すぎだま)」別名「酒林(さかばやし)」と呼ばれているようです。
名前の通り、杉の葉で作られており、酒店の軒先に吊り下げられています。
この杉玉が作られるのは2月〜3月で、酒店の軒先に吊るされます。その時期に新酒の製造が完成します。その時、杉玉は緑色をしており、時間とともに色が変化し、秋口に茶色となります。
この杉玉の色の変化と、新酒の熟成度合いがリンクしています。つまり、杉玉の色を見ることで、酒屋の前を通った人が酒の醸造具合を知ることができたそう。
では、なぜ杉なのでしょうか?
奈良県桜井市三輪にある大神神社(おおみわじんじゃ)が、「杉玉」発祥の地と言われています。
この地には、立派な杉がたくさんあり、杉には殺菌作用もあります。これを利用して、酒造過程で、酒をかけ混ぜるときや、酒ダルに杉を用いることが多かったそう。
こういったことから、大神神社は酒造りの聖地となり、その神聖さにあやかろうと言うことで、杉玉が出来たという説があるようです。
日本の昔ながらの風景にこうした歴史が隠れているのを知ると、街並みを歩く際の楽しみになりますね。