科学、本、映画の魅力をつぶやく ph-ガリレオ

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日本の防犯知識は世界のイレギュラー?!

昨日に引き続き、科学雑誌ニュートンの特集を題材にしたいと思います。


これは、皆さんも自分、家族の安全を守るためにも是非知っておいた方がいいというネタです。


日本では、ポスターなどでサングラスやマスクをつけた不審者?らしき人物が描かれて、「不審者に用心!」といったものをよく見かけませんか?


海外では、不審者という言葉はあまり使われないようです。

その理由は、誰が犯罪を起こすかは分からない。そもそも、犯罪を犯そうというものは怪しい格好をしない。街中の犯罪の9割は普通の服装をしているという統計結果もあるからです。


子どもが被害に遭っている事件の多くは、子ども自らが犯罪者に上手く誘導されて、犯罪に遭っています。


よく、日本のニュースで犯罪が起きた近隣の人々のインタビューで、「まさか、あの人があんなことをするなんて」「よく挨拶もしてくれるいい人でしたよ」といったのもよく目にしますよね。


このコメントの背景には、犯罪をする人は特別だ!という刷り込みがあるのですね。つまり、犯罪をする人に注意をしようという観点で子どもにも注意を促します。これを犯罪原因論といい、日本では、犯行の動機や人物に重点が置かれやすい傾向があります。


しかし、我々が実際に犯罪を犯しそうな人を事前に察知することは実は難しいのです。


そこで、犯罪者であれども、犯罪を犯しにくい場所であれば、犯罪は実行しにくいという考えの元、「犯罪が起きやすい場所、起きにくい場所を知る」ことが大事となります。これを犯罪機会論といい、欧米の防犯の基準となっています。


意識して知っておくべきポイントがあります。

危険なのは、入りやすく見えにくい場所

 男女兼用の誰でもトイレ

 見通しは良いが、周囲に建物がない。

 

危険なのは、心理的に見えにくい場所

 荒れている場所(不法投棄場所など)

 不特定多数の人が集まる場所

人が多くいると、人の注意関心が分散される。異常を見つけても、誰かが通報するだろうと人任せになる。


こういった危険な場所をあらかじめ知っておくことが、犯罪に巻き込まれる機会を減らすことになります。


常識を疑い、海外ではどうなのか?といったグローバルな視点で物事を見ると新しい発見があるかもしれません。


Newton(ニュートン) 2020年 04 月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2020/02/26
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