勉強するのは、世のため、人のため
新聞の記事に緒方洪庵の特集がありました。
1800年代の後半、鎖国が終わった日本に海外からもたらされた感染症コレラ(当時はコロリと呼ばれた)が大流行しました。
感染症に対する知識などもない時代ですから、多くの人が亡くなりました。
そんな時に活躍したのが医者であった緒方洪庵です。
岡山県出身で適塾という私塾を開き、福澤諭吉、自衛隊の元を作った大村益次郎を輩出した教育者でもあります。
緒方洪庵が感染症対策で行ったことは、まず西洋の医学書に書かれたコレラの知識を、5-6日間寝ずに書き写し、本にしました。
その本を100冊程度、無償で周囲の医者に配り、感染症の正しい知識を広めました。その甲斐もあり、コレラは徐々に収束に向かいます。
空気感染も起こし、死者をたくさん出した非常に恐ろしい感染者です。
しかし、西洋医師のジェンナーによってワクチンが開発され、西洋では天然痘を克服しつつありました。
緒方洪庵は、日本でも天然痘のワクチンを打つことが出来るように、免許制で保健所のような場所を作りました。
その免許制が、後の医師免許制度の原型になったようです。
また、適塾では優秀な学生がたくさんいました。夜遅くに塾生が寝るときに、洪庵の書斎を除くとまだ明かりが点いている…
師匠が頑張っているのなら、自分達も頑張ろうという気にさせられたという逸話が残っています。
そんな緒方洪庵の言葉で私が好きな言葉を最後にお伝えしたいと思います。
「勉強は、世のため、人のために、国のため、道のため」
非常に心に響く言葉です。勉強するのは、大学受験に受かるためではありません。自分の利益のためだけにするのではない
自分が出来ることを増やして、世のために自分が役立つためにするのだ、と改めて心に刻んでくれます。