犯罪が起きやすいシーンはどれ?
科学雑誌ニュートンの4月号を読んでいると「犯罪心理学」の特集コーナーがありました。
その特集では、犯罪者が犯罪を起こすときのシーンや、心情について解説されていました。その中に、興味深いクイズがありました。
クイズ
「AとBのどちらの公園が犯罪が起きやすいでしょうか?」理由も含めて考えてください。
A. 1mくらいの高さの柵に囲われた見晴らしの良い公園
(柵は中の様子が分かる格子状で、入り口以外の公園全体が柵で囲われている)
B. 柵の無い、見晴らしの良い公園
答えは、Aです。恐らくBと答えた人が多いのではないでしょうか?
犯罪者(大人)は、柵に囲われた中に入ると、子どもの中に大人一人が存在することになり、周囲の人からすると違和感が発生します。この違和感を犯罪者は嫌うようなのです。
柵に囲われた空間は子どもの場所で、大人がいると違和感が際立つということですね。
例として、四方をマンションで囲い、城壁のようにし、その中に公園がある集合住宅もあるようです。そこでは、犯罪はほとんど起こらないようです。
その他にも、「割れ窓理論」というものもあります。これは、割れた窓を放置すると、犯罪者はここは管理されていない場所だという気持ちを強め犯罪の温床となるという理論です。
少し前のニューヨークの地下鉄は落書きだらけで、犯罪の多発地帯でした。しかし、まずこの落書きを一掃することで犯罪が激減しました。これも割れ窓理論を応用した例です。
このように、普段我々が意識していない構造や立地によって犯罪が起きやすい場所とそうでない場所があるようです。
事故物件や曰く着き(犯罪多発)の物件は、霊の仕業ではなく、意外に立地や構造に問題があるのかもしれません。
Newton(ニュートン) 2020年 04 月号 [雑誌]
- 発売日: 2020/02/26
- メディア: 雑誌