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抗生物質の正しい知識

Newton(ニュートン) 2020年 03 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2020年 03 月号 [雑誌]

 寒いこの時期になると風邪が流行ります。皆さん、体調はいかがでしょうか?


 さて、風邪で鼻水、咳が酷くなったときに病院に行ったとします。

 その時に、「とりあえず抗生物質を出しておきましょうか」という医者の言葉を聞くことはないでしょうか?


 これ現在の医学では、良くないこととされています。


 抗生物質は、細菌を殺すものでウイルスには効き目がありません。風邪の8割から9割はウイルスです。細菌性の風邪もありますが、少ないのが事実です。


 神戸大学医学部大学院 岩田教授によると、「抗生物質で風邪の症状が改善されることはほとんどない。肺炎を防ぐデータもない。ほぼ利益はないが、下痢、腹痛、アレルギーといった副作用はある」とのことです。


 抗生物質を使うことによるメリットより、デメリットの方が多いようです。


 更なるデメリットとして、最近問題になっているのは、抗生物質に耐性を持った細菌の登場です。院内感染を起こして、ニュースにもなっています。


 抗生物質を使いすぎると、耐性を持った細菌が増えます。しかも、抗生物質は製薬会社でもあまり売れなくなっており、今後新たな抗生物質が増えることはあまり無さそうです。


 つまり、現状ある抗生物質を大切に使うしかないのです。


 医学の知識は、医者に頼るのが筋ですが、100%おんぶにだっこで考えない姿勢が、抗生物質の大量使用に繋がっています。


 自分の体のことは、自分で責任を持つ姿勢が大切ですね。


 『ニュートン 2019 2月号』