経済の発展は作物の余剰から?
『父が娘に語る経済の話』で印象的に残った話をさせて貰います。
経済の発展には次の流れがあるようです。
農耕→作物の余剰→様々な専門職業生まれる→余剰を大量に管理するリーダー(王)が生まれる
作物が余るほどに、農耕が進むと時間にゆとりが生まれ、農耕以外の仕事が生まれます。職業軍人、武器職人、官僚、道具士などなど。
リーダーの中には、大量に作物の余剰を貯め込む王のような存在が出てきます。それを守るのが、職業軍人です。
しかし、他の民がその王の余剰作物を欲しがって反乱を起こすと、いかに軍人がいても数に圧倒され、王は倒されてしまいます。
そこで、王であることの正統性が必要となります。つまり、私が王なのは○○だからだ!という皆が絶対に納得する明確な根拠が必要となる訳です。
その根拠を与えたのは誰だと思いますか?
これが宗教の聖職者です。聖職者が「神がこの王を選ばれた」と言えば、民はそれを信じる他にありません。
そこで、どこの国でも聖職者が重宝され、特権階級になる場合が多いようです。
このように、歴史・経済の流れには必然性がある所が非常に面白いです。
内容に興味を持たれた方は是非読んでください。これ一冊で、経済についての大雑把なことは理解できると思います。生きていくために必要な知識も得ることが出来ると思います。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
- 作者:ヤニス・バルファキス
- 発売日: 2019/03/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)