科学、本、映画の魅力をつぶやく ph-ガリレオ

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鬼の正体とその歴史?

年末年始は特番などもあり、HDDに映像がどんどんとたまってきます


そこで録画していた映像の整理を年明けにしていました。何を撮っていたか見ているとその中に、歴史秘話ヒストリアがありました。


タイトルは「大江山 鬼退治」


今流行りの鬼です。興味深々で観てみると鬼の正体が科学的に説明されており、非常に興味深かったです。


鬼の伝説は古く飛鳥時代からありました。飛鳥時代と言うと、聖徳太子をはじめ遣隋使でも有名です。


実はこの時に、隋との交易から疫病=天然痘が九州地方から広まっていたようです。いつの時代でも感染症は貿易によってもたらされます。


中世ヨーロッパでペストが流行ったのも、モンゴル帝国がヨーロッパにまで支配領域を広げたことが最近の研究でも分かってきています。(『感染症の世界史』より)


さて、当時はウイルスや細菌などの概念はないので、人々は大変な恐怖を感じていました。疫病は、目に見えない霊的なものがもたらすと信じられ、西(九州)から山陰道大江山がある)を通って京の都へともたらされている、と思われていたようです。


人間は正体や原因が分からないものに恐怖を覚えます。


そこで、人々は疫病=疫神(はやり病をもたらす神)=鬼という醜く恐ろしい姿を掛け軸などに表現したようです。その掛け軸を寺が保管し、鬼退治をする絵を描き、人々に安心感を与えたのでした。


当時の寺は、寺の由緒を説明するために掛け軸を元にし、寄付金を募る時に掛け軸を見せ話を聞かせ、鬼の伝説が人々に広まります。


このように、昔から語り継がれる妖怪などの伝説は、科学的に捉え直すと面白いですね。