科学、本、映画の魅力をつぶやく ph-ガリレオ

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ぶどうから生まれた奇跡(マイク、スピーカー)

あまりにも面白くて、ドクターストーンのアニメを一気見しました。シーズン2が早く放映されることを心待ちにしています。


ネタバレになるので、詳細は言えませんが、シーズン1の後半の話で、スピーカー、マイクを作るシーンが出てきます。


そのスピーカーに使われるのが、酒石酸カリウムナトリウム、別名ロッシェル塩(発見者名)です。


このロッシェル塩は、ワイン樽の沈殿や樽の表面に析出されます。つまり、ぶどうから作られます。


声は、空気の振動が伝わる現象です。人が声を出す時は、声帯という膜を振動させ、その振動が空気を振動させることで周囲に伝わります。


つまり、音を発するには、振動するもの(振動体)が必要です。


これを踏まえると、スピーカーとマイクは基本的な構造は同じと分かります。


スピーカーは、電気信号振動体(声帯の役目)

マイクは、音振動体(鼓膜の役目)電気信号

となっています。つまり、逆の役割です。


この振動体の役割をするのが、ロッシェル塩なのです。


ロッシェル塩は、圧力を加えると結晶が変形し、電圧(電気信号)が発生します。逆に、電圧が加わると結晶の形が変わり(振動する)ます。これをピエゾ効果と言います。


日本でも、第二次世界大戦の最中にドイツからロッシェル塩のこの応用技術が伝えられて、潜水艦などが発する音を聞くために使われ始めました。


しかし、潮解性と言って水分を吸収しやすく溶けてしまう性質があるため今では使われていません。


このように、現代の科学(テクノロジー)を原始時代に実現しようというのが、ドクターストーンです。


ぶどうは、食べ物、飲み物になるのは勿論、スピーカー、マイクの役割と知れば、ぶどうを見る目が変わりませんか?


これが、科学の面白さですね。


Dr.STONE 14 (ジャンプコミックス)

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  • 作者:Boichi
  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: コミック