科学、本、映画の魅力をつぶやく ph-ガリレオ

科学、映画、本を紹介するブログです

「体力がある子は学力が高い」は因果関係か?

 最近、面白い本に出会えましたか?


 私が今読んでいる本を紹介したいと思います。


 まずはタイトルについてどう思われますか?何らかの関係がありそうですよね?


 『学力の経済学』で有名な中室牧子さんの『原因と結果の経済学』を読み直しています。その中で以下の内容が出てきます。


 原因と結果に何らかの関係があるのが、因果関係。片方につられて、もう片方も変化しているように見えるのが擬似相関といいます。


 擬似相関を見分けるポイントの一つが、原因と結果のそれぞれに影響を与える「第三の変数」を見分けることです。


 タイトルに関係する変数として、「教育熱心な親」があります。


 教育熱心な親であれば、しっかりした食事で栄養をつけ体力させる。勉強についても、よい教材や塾などを提供して学力をつける。


 このように、教育熱心な親という変数によって、体力も学力もついてくる。それが、みかけ上体力のある子は学力も高いにつながる可能性があります。これを、擬似相関と呼びます。


 世の中には、様々な擬似相関があります。


 「東大生にはピアノ経験者が多い」これは、はっきりとデータに現れています。だからといって東大に行かせるためにピアノを与える。これは正しいのかどうかです。皆さんも考えてみてください。


 最近は、このような擬似相関のデータを利用した商品や広告も多くなっています。


 こういったことを学べる本です。データ社会には必要な一冊かもしれません。



「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法